前記事にてご紹介しました㈱ニコン製のX線CT装置を使用して対象物(樹脂製コップ)のCTスキャンを行い、3Dプリンタによる出力を試みました。
CTスキャンデータをSTLに変換するだけで3D造形ができますので、図面の無い部品のリバースエンジニアリングを手軽に行うことが可能です。
目次
サービスの工程
- X線CT装置(㈱ニコン製:XT H 225 ST)によるサンプルのスキャン。
- VG STUDIO MAXにてスキャンデータをSTL化。
- メッシュの状態を確認し、破損等の不具合があれば修正を実施。
- 3Dプリンタ(Markfoged社製:Mark X7)による3D造形。材料はONYX(炭素繊維入りナイロン)を使用。
各工程の結果
CTスキャンによる画像取得
コップ表面の模様まできれいに形状データを取得することができました。
単一の素材のものならば、形状をより正確にスキャンすることが可能です。
メッシュの生成
VG STUDIO MAXを用いてSTLに変換後、メッシュの破損がないか確認を行いました。
造形には支障ない程度の面が生成できていたため、今回はリタッチ無しで造形を行いました。
3D造形
積層ピッチ0.1mmで造形を行い、約10cmの高さのコップを 18時間で造形できました。
まとめ
今回はX線CT装置を用いてコップの形状をスキャンを行いましたが、レーザスキャナでも同様のことが実施可能です。X線CT装置はサンプルの内部構造の情報を取得することを得意としておりますので、レーザスキャナと組み合わせることで外部と内部の両方の形状を取得することが可能となります。
このような図面の無いサンプルから3Dデータを取得して3D出力を行うサービスは、リバースエンジニアリング等の調査や研究開発においてご活用いただけるかと思います。
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