近年、3Dプリンタの進化によって造形精度が向上し、造形品は様々な用途で使用されるようになってきました。

しかしながら、造形品を治工具や最終部品として使用するためには評価を行って品質を担保する必要があり、その評価の中でも寸法検査は重要な評価項目の一つと言えます。

今回のブログでは3Dプリンタで造形したサンプルの三次元測定機による寸法検査についてのご紹介をさせていただきます。

寸法測定の内容と結果

【3D造形品】

・使用用途:X線CT観察用の固定治具、備品収納BOX
・3Dプリンタ:Markforged社製 Mark X7
・造形ピッチ:0.1mm
・造形材料:ONYX(※ナイロンに炭素の短繊維が含有)

【測定機】

CNC三次元測定機(※詳細は下記を参照)

【測定内容】

造形品の座標測定・幾何公差測定を行い、設計データとの比較を実施した。

【測定結果】

高さ方向の寸法や平面度・円筒度は比較的良い値が出ていたが、横方向の寸法は小さな誤差から大きな誤差まで存在しバラツキが大きかった。

今回の造形品では箇所にもよるが±0.05~0.1mm程度の造形誤差が発生しているものと考えられる。


三次元測定機の仕様

■三次元測定機

・メーカー:㈱ミツトヨ
・型式:Crysta Apex S9168
・測定範囲:X900、Y1600、Z800mm
・接触式センサー:TP200、TP7M
・接触式センサーの繰返し測定精度:0.25~0.4μm以下
・接触式倣いセンサー:SP25M
・接触式倣いセンサーの繰返し測定精度: 1.7+3L/1000 μm
・スキャニング誤差:2.3 μm
・プローブチェンジャー:ACR3 4ポート、FCR25 3ポート

■三次元測定機のソフトウェア

・MCOSMOS Ver4.2(三次元測定用ソフトウェア)
・RepeatPak-PLUS(MICROPAK2700のプログラムにも対応可能)
・CAT1000PS(オフラインティーチング)

 サービスの特徴

●3Dプリンタによる造形後、すぐに測定を実施できる環境が整っています。
●寸法測定の担当者は15年以上の経験があり、測定に関する様々なご提案が可能です。
●三次元寸法測定以外にもレーザースキャン測定・形状測定・粗さ測定等にも対応しており、3D造形品の形状・材質・目的に応じた測定を実施することが可能です。
●3Dモデルとの形状比較や照合を行うためのソフトが充実しています。
●自動測定プログラムの作製により、多数個のサンプルを速く正確に測定することが可能です。
●測定用の固定治具の設計・製作も可能です。

まとめ

3Dプリンタは万能ではないため目的に応じた活用方法を考える必要がありますが、そのためには造形品の出来栄えの評価を行うことで要求の品質が確保できているかどうかの確認も必要となります。

当社ではCNC三次元測定機やレーザースキャナー等の測定機器を多数所有しており、造形後に図面指示寸法との比較測定やCADデータとの照合を行って、寸法検査のデータと一緒に造形品を納品することが可能です。

寸法測定以外にも3Dプリンタによる造形品の評価についてお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

3Dモノづくりラボ編集部

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