前回のブログで金属3DプリンタのMetal X(Markforged社製)をご紹介しましたが、今回はそのMetal Xで造形したサンプルについて、出力後・ウォッシュ後・焼成後に分けて非破壊検査を行い、収縮率や内部のボイドについての調査を実施しました。

使用装置

【金属3D造形】

・装置:Metal X(Markforged社製)
・積層ピッチ:50μm
・積層方法:Solid Fill

【非破壊検査】

・装置:X線CT装置(㈱ニコン製:XT H225ST)
・解析ソフト:VG STUDIO MAX

調査結果

出力後(造形後)のグリーンパーツと焼結後の完成品の外観写真です。

重量と寸法の変化

出力後と焼結後の重量と寸法の変化は下記の通りです。
▶重量…約7.1%の減少
▶寸法…約16%の縮小

ボイド・空隙の変化

出力後に存在したボイド・空隙は焼結時に縮んで少なくなると予想していましたが、造形物のサイズが全体的に縮小していくだけで、ボイド率・空隙率には大きな変化はありませんでした。

まとめ

Metal Xによる金属材料の3D造形では、STLデータから焼結による収縮を自動計算して出力のサイズを決めています。装置メーカーからの情報では焼結時に20%程度収縮するということでしたが、今回の調査によってより正確な収縮率が分かりました。

造形品のボイド率(空隙率)の変化につきましては、プリント過程での変化はあまりないということが分かりましたので、次回のブログでは具体的な数字として密度についての調査結果を掲載する予定です。

当社では3Dプリンティング全般に関わる技術サービスをご提供しておりますが、造形サービスのみや評価サービスのみのご依頼も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

3Dモノづくりラボ編集部

3Dモノづくり業界の最新情報からトレンドや技術者必見の新技術や3Dプリンタや3Dスキャナのレビューなどをエンジニア目線でお届けしております。 『あの3Dプリンタは使いやすい?』『3Dスキャナでおすすめは?』などありましたらお気軽にリクエストください。